まいとの週末トコトコ釣り散歩

パックロッド片手に電車や自転車で釣り歩くブログです。

【インプレ】OUTBACK BEYONDを7ヶ月使ってみた

tailwalkが作った高性能なテレスコ(振出式)ロッドのOUTBACK BEYOND。このシリーズの中から2本、「S756L」と「S514L」を約半年間使ってみた印象を書いてみたいと思います。

まずは主なスペックを記載しておきます。※詳細はメーカーHPをご参照ください。

■主なスペック(S756L)■

・全長:7フィート5インチ  /  自重:107g

・継数:6ピース

・仕舞寸法:49cm

・ルアーウェイト:max 21g

 
■主なスペック(S514L)■

・全長:5フィート1インチ  /  自重:84g

・継数:4ピース

・仕舞寸法:48cm

・ルアーウェイト:max 16g

では、早速インプレに入りたいと思います。この記事では主に次の視点での感想を書きたいと思います。

■気になるポイント■

1 両モデルに共通する特徴は?

  ・トラベルロッドとしての携行性は?

  ・テレスコピック(振出式)ロッドとしての印象は?

2 それぞれのモデルはどんな釣りに向いてるの?

  ・S756Lの特徴は?使ってみた感想は?

  ・S514Lの特徴は?使ってみた感想は?

両モデルに共通する特徴から聞きます。トラベルロッドとしての携行性はどうですか?

実はこの点だけ少し辛口のコメントになります。

こちらの写真をご覧ください。

これは購入時に付いてくるロッドティップカバーです。穂先を保護するスポンジが入っており、ベロクロで3箇所止めるため、通常の移動の際にはある程度安心できるものになっています。ただ、遠征となるとこのままトランクに入れるのは若干不安です。別途でハードケースなどを準備する必要があると思います。その分荷物が増えてしまうこと、ケース分の追加費用が必要になることがトラベルロッドとして見た時に少しマイナス要素になるでしょうか。

一方で、普段使いとしての携行性は及第点です。仕舞寸法50cm未満なのでリュックに入れて持ち運ぶことができますし、釣り場に着いてから外したカバーも小さいので邪魔になりません。

テレスコピック(振出式)ロッドとしての印象はどうですか?

基本性能のバランスが良く、軽快な使い心地という印象ですね。

最近は一般的に性能が向上しており、テレスコピック(振出式)だからと言って一昔前のダルさを感じることはほぼ無くなりましたが、その最近のテレスコの中でも、このシリーズは軽さ、硬さ、しなやかさ、粘りなどのバランスがとても良いように思えます。特にキャストの時の振り抜いた感覚がシャープというか軽い印象なんです。ポイントは新しいガイド。実は、この機種には富士工業社製の新型ガイド「モバイルK」が搭載されています。

このモバイルKというガイドが本当に素晴らしいです。難しいことはよく分かりませんが、軽くなっているおかげでキャストフィールが良くなっているようです。さらに、テレスコのロッドを使っていると、最初、真っ直ぐ一直線にセットしたはずのガイドが、しばらくすると斜めにずれているという「ガイドずれ」が生じますよね。ひどい時は1日に何度もガイド位置を修正しないといけません。ところが、このモバイルKの場合、最初にセットした状態からほとんどずれません。これが地味に好印象なポイントです。

テレスコのロッドは自転車やバイクでランガンするときにルアーを装着したまま短くして移動できるのが大きな強みです(※もちろん、先端・ティップ折れを防ぐためにドラグをゆるゆるにしておくなどの対策は必須です)。その強みを活かしつつ、ガイドずれのような弱点が克服されていて、基本性能が高い…そういうシリーズです。

以上から、両モデル共通の特徴として、自転車やバイクを使ったランガンスタイルにとても向いているロッドだと言えると思います。

次にそれぞれのモデルがどんな釣りに向いているのか教えてください。

では、S756Lから…私は「チニング」が最適だと思います。

このロッドの適正ルアーウェイトはmax21gですが、快適にキャストできるのは7〜15gの印象です(※あくまで個人の感覚です)。私は最近、PE0.6号、フロロ8lbリーダーに7gのシンカーを使用したフリーリグによるチニングを頻繁にやっているのですが、この釣りにS756Lがピッタリはまっている感じです。底取りの感度も悪くないですし、45cm級のチヌとのやり取りでも問題ないバットパワーも持っています(※ちなみに5gシンカーだとメバルロッドの方が底取り感度がいいです)。

↓実際にチニングで使っている記事をこちらに載せておきます。

 

might-tokotoko.hatenablog.com

 

ブラックバスなど他の釣りではどうですか?

バーサタイルなので色々使えそうですが、使いどころは考える必要があると思います。

先ほども書きましたが、このロッドで快適に投げられるのは10g前後、つまり3/8oz前後ということになります。バス釣りで3/8ozのルアーを扱う際はベイトタックルを使うことが多いですよね。なので、あえてスピニングのS756Lを使うのであれば、PEラインを使った遠投などシチュエーションは選ぶ必要があるのかもしれません。

他にも適合ルアーウェイトの幅が広いので、色々な使い方ができる可能性があると思います。シーバスのルアーは問題なく投げられますし、3号のエギもキャスト可能です。チョイ投げでも使えるでしょうし…バーサタイルな性能が特徴のモデルなので、今後も色々な使い方をしてみようと思います。面白い用途が見つかったら、追加レビューします。

↓ちなみに500mlのペットボトルを吊るした際のベンドカーブはこんな感じ。

S514Lの方はどんな釣りに向いているんですか?

このモデルは、逆説的ですが「使い方を見つける面白さ」がある竿だと思います。

このロッドの適正ルアーウェイトはmax16gですが、快適にキャストできるのは3〜7gの印象です(※あくまで個人の感覚です)。小さいルアーが投げられるショートロッドなのに、思ったよりもロッドパワーはある。そういう特徴から使いどころが絞られるのですが、自分の釣りが分かっている中級者であれば自分のアングラーとしての引き出しの中から「これなら面白いかも」という釣りを見つけられる…そんな楽しみ方ができるモデルです。

↓ちなみに500mlのペットボトルを吊るした際のベンドカーブはこんな感じ。

もう少し説明すると、このロッドの性能は一見するとチグハグな印象に映るかもしれません。ライトソルトで使う場合、ジグ単も投げられなくはないですが、繊細な扱いという点では専用ロッドに劣ります。ハゼクラで使う場合、3gのクランクは快適にキャストできますが、魚に対してやや強すぎるので、かかってからの引き味ではトラウトロッドに譲ります。そういう意味で若干チグハグな印象に思えます。

ですが、比較的軽めのルアーが投げられて、魚がかかってからのパワーはそこそこある…この特徴を活かせる釣りであれば、十分に楽しむことができます。

私の場合はブラックバス用のサブロッドとして使っています。短竿特有の取り回しの良さからバックハンドキャストが非常にやりやすいので、ノーシンカーを使ったピンスポット狙い撃ちで多用しています。

↓ちなみに、バス釣りで使っている記事をこちらに載せておきます。

 

might-tokotoko.hatenablog.com

 

このS514Lは4ピースのため、仕舞寸法が48cmと長めなところがちょびっと惜しいポイントです。5ピースにして40cmちょっとの仕舞寸法であればサブロッドとしての出番がもう少し増える気がするんですけどね。ともあれ、使いどころに頭をひねる楽しみがある面白いロッドです。

このちょっとクセのあるところに愛着が湧く可能性のあるロッドなんですよね。

結論、OUTBACK BEYONDはこんな人にオススメのロッドです。

■こんな人にオススメ■

・自転車やバイクでのランガンスタイルの釣りが好きな人

・自分の釣りのスタイルが分かっている中級者の人

・道具が先にあって、そこからできることを探すのが好きな人

 

一見、辛口のコメントもあったように見えるかもしれませんが、実際、この半年で一番フィールドに連れて行った回数が多いのが、このシリーズです。間違いなく今年のお気に入りロッドに入っています。特に、S514Lの方は他のロッドには無い個性が感じられて、趣味人を虜にする竿かもしれませんw。自分はマニアックだと思う方は手に取ってみるとビビッとくるかもしれませんよ(※ちなみに今回の記事ではいわゆる「感度」等についてあまり触れていません。これは魚種を絞って狙うタイプの専用機種では無いため、使い方によってラインやルアーも大きく異なると思われるので参考にならないと考えたからです)。